2010年12月31日金曜日

シュタインズ・ゲート 感想

友達に勧められてやってみた.
公式ページ
wikipedia
攻略wiki
レビューもどき.
感想メモという感じ.
※ネタバレ注意※

内容的には,
人外の能力を持った人が抱える葛藤と孤独,苦悩
過程の重要性,
といったものをしっかり表現できていると思う.

前者は,Dメールやタイムリープという過去を変える手段と,
リーディング・シュタイナーを持っていたが故に,
まゆりを死なせないことに何度でも挑戦できるが,
その過程で多くの悲劇を生み,
人々の苦しみを無かった事にしてしまうことへの罪悪感.
紅莉栖とまゆりのどちらかを見殺しにしなければならないという,大切なモノの取捨選択.
それ自体は特別なことではないが,
上記の能力と合わせることで
神の所業に等しい意味を持ってしまう.

そして,それらを自分しか知覚できないための孤独.

しかし,人外の能力を以てしても得られないもの.
どれだけ科学が進歩しても,人の本質は変わらない.

後者は,「過程は関係ない,収束する」などのように,劇中一貫して過程を軽視してきたのに対し,
トゥルーエンドにおいて一転して過程,経験を重要視しており,
そのギャップにより際立っているといえる.



設定的には,一見すると,尤も(もっとも)らしい理論を述べているように見えるが,矛盾が多い.
まぁ,「想定」科学ADVと言っている程なのだから,わかっててやっているのでしょう.
例えば,

祖父のパラドックスの本質
このパラドックスの本質は,「結果が原因を消去する」ことにある.
劇中で出る言葉にも関わらず,
キーアイテムであるDメールとタイムリープの両方が,
このパラドックスを引き起こしている.

過程と結末の区別
「まゆりの死という結果に収束する」とあるが,
「まゆりの死」とは岡部にとっては結末であっても,
世界にとっては通過点にすぎない.
但し,観測者が重要であるという主張がされており,
それを適用するなら,「岡部にとっての結末」は意味を持つ.

IBN5100によるメールデータの削除
ふつーに削除してるだけのように読める.
これで世界線が変えられるというのはさすがにどうかと.
せめてDメールの応用とか言って欲しい.


表現的には

世界線「シュタインズ・ゲート」
アトラクタ・フィールドの狭間と言われているが,
第三の世界線,γ世界線だと言った方が適切だと思われる.

伏線
評価する声が多いらしいが,
伏線が多すぎて先の展開が丸見え.
ちなみに回収されていない伏線もある.

タイムマシンの燃料
太陽光パネルらしきものがあるようだが,燃料が必要.


ギャグとシリアスが程良く散りばめられており,読みやすい
声優さん名演技主人公の中二病がだんだん薄れてくる
それらのおかげか,感情移入しやすい
紅莉栖のツンデレ(クーデレ?)っぷりが激しい
プロローグが胡散くさいため取っ付きにくいかも

キーワード解説は有り難い.


システムとしては

携帯電話を使った独自のルート分岐は目新しい.

企画段階では実際の携帯電話を使うことが検討されていたらしいことを考えると,
ホラー要素があるとも考えられる.

すなわち,
現実の携帯電話にメールが届いた場合,それはDメールであったり,
電話が掛かってきた時,それはタイムリープの電話である可能性を錯覚させられる.
また,
電子レンジと携帯電話を組み合わせると危険,
携帯電話の通話口から脳に影響を与える電流が流れる,
などの描写は電子機器に対する危機感を持たせる.
※もちろん実際にはありえない.

萌郁が携帯依存であること,
公式から考えられる読者ターゲットとも合わせると,
電子機器依存に対するアンチテーゼとも取れる.



総評としては,リアルさには欠けるが内容は素晴らしい.


あと言えることは・・・
紅莉栖かわいい.
クシャミにヘンなクセがあるが,それもまたいい.ぷぅ.

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